薬物乱用頭痛とは、頭痛の症状を抑えるために、市販薬や医師からの処方箋を、月間で10日以上服用している人に起こりやすい頭痛です。風邪やインフルエンザ、生理期間などに、一時的に薬剤を服用する場合には当てはまりません。
薬物乱用頭痛の疑いのあるパターン
薬物乱用頭痛の疑いが持たれるパターンには、次のようなものがあります。
- 1ヶ月間で15日以上頭痛の症状が現れる
- 1ヶ月のうち、10日以上頭痛薬(鎮痛薬)を服用している
この2つが3ヶ月以上継続されている場合、薬物乱用頭痛の可能性があります。
他にも、起床してすぐに頭痛が起きたり、以前から服用している頭痛薬の効力を感じなくなったり、頭痛薬を服用すればするほど頭痛がひどくなることがあるようなら、薬物乱用頭痛の疑いがあります。
薬物乱用頭痛の治療法
薬物乱用頭痛の治療には、3つのポイントがあります。
1.原因となる頭痛薬の服用をやめる
薬物乱用頭痛の治療は、原因となる頭痛薬(鎮痛薬)の服用をやめることから始まります。期間は2ヶ月間が目安となっています。
2.頭痛薬の服用をやめた後の症状への対応
頭痛薬(鎮痛薬)の服用をやめた後の1週間から2週間ほどは、「離脱頭痛」と呼ばれる激しい痛みを伴う頭痛の他、吐き気や嘔吐といった症状が起こることがあります。そのため、それに対する治療薬を服用して症状の緩和に務めます。治療薬は、もともと服用していたものではなく、別の薬剤が用いられます。
3.予防薬の服用
治療薬の他、薬物乱用頭痛の予防薬を服用します。症状が治まってきましたら、もともと起きていた片頭痛(偏頭痛)などの治療を開始します。
薬物乱用頭痛の防止法
薬物乱用頭痛は、前述した治療法によって改善する人もいますが、時間の経過とともに再発することも少なくないようです。そのため、まずは薬物乱用頭痛にならないことが重要です。薬物乱用頭痛の防止法には次のようなものがあります。
- 頭痛薬(鎮痛薬)の服用は月間で10日未満にする
- 頭痛の予防を目的として、市販の鎮痛薬を服用しない
- 頭痛薬はできるだけ単一な主成分のものを選択する
- 頭痛薬にカフェイン(無水カフェインなど)が含まれていないことも確認する
※無水カフェインには依存症につながる危険性があるためです - 医師の診断の際には、他に服用している薬剤があればきちんと伝える
※医師が処方する薬剤との相性があるためです
異変を感じるようであれば、自己判断ではなく、速やかに医師の診断を受けるようにしてください。